著者
齋藤 有 内田 伸子
出版者
一般社団法人 日本発達心理学会
雑誌
発達心理学研究 (ISSN:09159029)
巻号頁・発行日
vol.24, no.2, pp.150-159, 2013-06-20 (Released:2017-07-28)
被引用文献数
3

本研究では,子ども中心で子どもとの体験を享受する「共有型」養育態度と,子どもにトップダウンに関わり,罰を与えることも厭わない「強制型」養育態度の,絵本の読み聞かせ場面(絵本場面)における母子相互作用の比較検討を行った。対象は3-6歳児とその母親29組で,母子にとって新奇な絵本場面を録画観察した。結果,養育態度による絵本場面の相互作用の違いは,母親のことばかけの認知的な水準ではなく,絵本場面を取り巻く情緒的雰囲気に現れた。また,子どもの年齢にかかわらず「共有型」養育態度の母親は子どもに共感的で,子ども自身に考える余地を与えるような関わりが多い一方で,「強制型」養育態度の母親は,指示的で,子ども自身に考える余地を与えないトップダウンの説明の多い傾向があった。さらに,それぞれの関わりのもとで子どもの絵本に対する関わり方にも違いがあり,「共有型」養育態度のもとで,子どもはより主体的に絵本に関わっていることが明らかになった。

言及状況

外部データベース (DOI)

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齋藤有, & 内田伸子. (2013). 幼児期の絵本の読み聞かせに母親の養育態度が与える影響:「共有型」 と 「強制型」 の横断的比較. 発達心理学研究, 24(2) https://t.co/vO1qxrvrNH

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