著者
谷 冬彦
出版者
一般社団法人 日本発達心理学会
雑誌
発達心理学研究 (ISSN:09159029)
巻号頁・発行日
vol.9, no.1, pp.35-44, 1998-04-10 (Released:2017-07-20)
被引用文献数
1

本研究は, Ehksonの漸成発達理論の観点から, 青年期における基本的信頼感と時間的展望の関連について検討した。基本的信頼感尺度, 絶望感尺度, 時間的展望体験尺度の全項目について因子分析を行った結呆, 「絶望一希望」因子, 「基本的信頼・時問的連続性」因子, 「現在・未来の確実性」因子, 「対人的信頼感」因子の4因子が抽出された。「基本的信頼・時間的違続性」因子が抽出されたことによって, 基本的信頼感と過去から現在までの自己の時問的連続性とが密接に関わるという仮説が支持された。また, 対人的信頼感は, 基本的信頼感に比ベ, 時問的展望との関わりが低かった。このことは, 対人的信頼感と基本的信頼感とは概念的に異なるという仮説を支持するものであった。さらに, 「基本的信頼・時間的連続性」は「絶望感」と「未来の確実性」に影響を与えるだろうという仮説を検証するために, 共分散構造分析を行った。その結果, 「基本的信頼・時問的連続性」は「絶望感」に影響を与え, さらに, 「絶望感」は「未来の確実性」と相互に影響を与え合っているという構造があることが明らかになった。これらの結果は, 漸成発達理論を支持するものであるとともに, 青年期におデける基本的信頼感と時間的展望の関連構造を明らかにするものであった。

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