- 著者
-
大住 倫弘
- 出版者
- Japanese Society for Electrophysical Agents in Physical Therapy
- 雑誌
- 物理療法科学 (ISSN:21889805)
- 巻号頁・発行日
- vol.25, no.1, pp.19-26, 2018 (Released:2022-09-03)
- 参考文献数
- 41
本稿では,急性期・慢性期の疼痛メカニズムを概説するとともに,それぞれの病期のリハビリテーションに必要なコンセプトをまとめた.急性期では,“末梢性感作”が主たる病態メカニズムであるため,消炎・鎮痛作用のある物理療法と運動療法を実施していくことが必要である.慢性期では,脊髄あるいは脊髄上位レベルでの“中枢性感作”を含んだ病態メカニズムが存在するため,運動機能障害・心理的問題などにも対処しながらリハビリテーションを進める必要がある.いずれにしても,症状から病態メカニズムを推測した上で病期別の疼痛リハビリテーションを計画することが重要となる.