- 著者
-
中村 潤二
- 出版者
- Japanese Society for Electrophysical Agents in Physical Therapy
- 雑誌
- 物理療法科学 (ISSN:21889805)
- 巻号頁・発行日
- pp.2023-013, (Released:2023-06-12)
近年の医療技術の発達とともに新たな物理療法モダリティの開発やエビデンスの確立が進んでいる.新たなモダリティとして,体外衝撃波療法(Extracorporeal shock wave therapy: ESWT)や迷走神経刺激(Vagus nerve stimulation: VNS)の報告が増加している.ESWTは,発生させた衝撃波や圧力波を経皮的に照射する方法であるが,ESWTは整形外科疾患の鎮痛や身体機能の改善に影響する.また近年では,脳卒中などの中枢神経疾患の痙縮に対して副作用の少ない方法として報告されており,さらなる発展が期待される領域の一つである.VNSは,侵襲的または経皮的に迷走神経に電気刺激を行い自律神経系に影響を与えることで,関節リウマチや脳卒中後の上肢運動障害,パーキンソン病の運動障害やすくみ足など,広範な領域においてその効果が調査されている.本総説論文では,物理療法全般の最前線というテーマで,ESWTやVNSといった最新の物理療法モダリティを中心にレビューし,物理療法の可能性について示したい.