著者
細田 絢 田嶌 誠一
出版者
一般社団法人 日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.57, no.3, pp.309-323, 2009 (Released:2012-02-29)
参考文献数
50
被引用文献数
15 5

本研究の目的は中学生の自己肯定感, 他者肯定感と周囲からのソーシャルサポートとの関連を検討することであった。ソーシャルサポート内容として, 直接的にストレスには焦点を当てないが結果的に援助的な効果をもたらす共行動的サポートに焦点を当て, サポート源は父親, 母親, 友人, 教師の4者とし, 中学生305名を対象に調査を行った。サポート源とサポート内容の2点から検討した結果 (1) 自他への肯定感の高い中学生の方が両親からのサポート得点が高いこと, (2) 友人からのサポートは自己肯定感に関連していること, (3) 教師からの道具的サポートにおいて, 男子と女子では自己肯定感の高さによってサポート量の知覚に差があること, が明らかになった。全体として両親からのサポートの重要性と, サポート関係の性差が確認された。また教師以外のサポート源において自他への肯定感の高い中学生の方が共行動的サポートの得点が高く, 親子間や友人間での共行動的サポートの有効性が示された。加えて新たに, 父親による間接的なサポートの効果が示唆された。

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明日から仕事です。気になった論文の感想で締めます。 中学生の自己肯定感は友達や教師からの働きかけ、つまり環境によっても高まることがある。 ってことは、逆に低くなることもあり得るのかな? いや、安全基地が形成されるから多少のことでも低くはならないか。 https://t.co/I5I6ArgA4u
・中学生におけるソーシャルサポートと自他への肯定感に関する研究https://t.co/4hHP8XF2rb ・自己肯定感が低すぎてつらい人のための処方箋 https://t.co/jWIwox1cP2 ・子どもの自己肯定感の高め方 https://t.co/VxsU1itdL1 ・進路選択自己効力に関する研究の現状と課題https://t.co/wg7M59n1fw

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