著者
長峯 聖人 外山 美樹
出版者
一般社団法人 日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.69, no.2, pp.175-186, 2021-06-30 (Released:2021-07-21)
参考文献数
45
被引用文献数
3

近年では,制御焦点と具体的な他者との関連についての研究が増加している。その中で長峯他(2019)は,競争場面における他者に着目し,特性として促進焦点的な個人にとってはライバル関係が適応的な結果につながることを示した。本研究は長峯他(2019)の知見を踏まえ,競争場面において,特性として防止焦点的な個人にとってはチームメイトとの関係が適応的な結果につながるかどうかを検討した。加えて長峯他(2019)に倣い,制御焦点の差異がチームメイトとの関係による影響を介し,チームへのコミットメントおよび集団的な動機づけに影響するかどうかを併せて検討した。大学生アスリートを対象とした調査研究の結果,まず特性として防止焦点的な個人はチームメイトとの関係によって義務自己の顕在化が生じやすいことが示された。さらに防止焦点的な個人は促進焦点的な個人よりもチームへの規範的コミットメントおよび集団的な動機づけの程度が高いことが明らかになった。加えて,それらの関連は,義務自己の顕在化によって媒介されることが併せて示された。最後に,本研究で制御焦点との関連がみられなかった変数に関する考察が行われた後,課題と今後の展望について議論された。

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防止焦点が(相対的に)優位な人は、チームメイトとの関係の中で義務自己が顕在化しやすく、チームの中での規範的コミットメントや集団的な動機づけが高まりやすいという研究。 【論文メモ】長峯・外山(2021) 教心研 https://t.co/Z4upp7Gdcv https://t.co/Tnw2olFMgI

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