著者
栗山 直子 上市 秀雄 齊藤 貴浩 楠見 孝
出版者
一般社団法人 日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.49, no.4, pp.409-416, 2001-12-30 (Released:2013-02-19)
参考文献数
21
被引用文献数
1

我々の進学や就職などの人生の意思決定においては, 競合する複数の制約条件を同時に考慮し, 理想と現実とのバランスを満たすことが必要である。そこで, 本研究では, 高校生の進路決定において, 意思決定方略はどのような要因とどのような関連をもっているのかを検討することを目的とした。高校3年生359名に「将来の目標」「進学動機」「考慮条件」「類推」「決定方略」についての質問紙調査を実施した。各項目の要因を因子分析によって抽出し, その構成概念を用いて進路決定方略のパスダイアグラムを構成し, 高校生がどのように多数存在する考慮条件の制約を充足させ最終的に決定に達するのかの検討を行った。その結果, 意思決定方略には,「完全追求方略」「属性効用方略」「絞り込み方略」「満足化方略」の4つの要因があり, 4つの要因間の関連は,「熟慮型」と「短慮型」の2つの決定過程があることが示唆された。さらに,「体験談」からの類推については, 重視する条件を順番に並べて検討する「属性効用方略」の意思決定方略に影響していることが明らかになった。

言及状況

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高校生が「なぜ大学に進学したいのか」を、説明するときに参考になる資料を探しています。 将来「この仕事」をしたいから、という限定的なものではなく、一般的な資料があれば紹介してください。

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