著者
畠岡 優 中條 和光
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.36, no.4, pp.339-350, 2013-02-20 (Released:2016-08-09)
参考文献数
22

本研究では,手順を説明する手続き的説明文の読解方略の使用と読み手の特性との関係を検討する.研究1では,自由記述で手続き的説明文の読み方を収集し,それらに因子分析を適用して,図表の活用,意味明確化,標識の活用,メタ認知的な活動,既有知識活用という読解方略の5つのカテゴリーを見出した.研究2では,読み手の特性として,言語性作動記憶と空間性作動記憶の容量の個人差が読み手の読解方略の使用に及ぼす影響を検討した.読解直後に5カテゴリーの読解方略の使用に関する質問紙に回答させた.その結果,図表の活用方略の使用に空間性作動記憶が関わること,また,意味明確化および既有知識活用方略は,二種類の作動記憶容量の高低によって方略の使用に交互作用の傾向が見られ,言語性作動記憶の得点が低く,空間性作動記憶の得点が高いほど,それらの方略を使用する傾向にあることが見いだされた.

言及状況

外部データベース (DOI)

Twitter (1 users, 1 posts, 0 favorites)

J-STAGE Articles - 手続き的説明文の読解方略の使用と作動記憶の関係 https://t.co/TVG9dBOvXq

収集済み URL リスト