著者
佐久間 大 吉井 拓弥 室田 真男
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.40, no.2, pp.57-74, 2016-09-20 (Released:2016-09-15)
参考文献数
24

本研究では,総合的な学習の時間における教師の形成的FBの分類を検討することを目的とする.上記の目的を達成するため,観点Ⅰ:「技量の異なる教師間で用いる形成的FBの種類と与え方に違いがあるか」,観点Ⅱ:「児童の学習への取り組み具合と形成的FBの関係はどのようなものか」の2つの観点に基づき,小学校5年生の総合的な学習の時間における教師と児童間のインタラクションの発話分析を行った.また,児童作成ルーブリックを用いた評価データを用いて,数量分析を行った.分析の結果,熟達教師が児童の学習の取り組みタイプに応じて,35種類の形成的FBを使い分けていることが明らかになった.熟達教師は中堅教師よりも児童の取り組みタイプに応じて,形成的FBを使い分けていることが明らかになった.その一方,中堅教師は児童の取り組みタイプに関わらず,特定の形成的FBを繰り返し選んで用いることが明らかになった.また,主体的に取り組んでいる学習者に対して,学習における課題意識を持たせる形成的FBや,児童自身の内面から『解』を具象化しようとする形成的FBなどを与えることによって,児童を充実した学習活動へと導く可能性が示唆された.

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形成的フィードバック〜熟達教師が児童の学習の取り組みタイプに応じて,35種類の形成的FBを使い分けていることが明らかになった.一方,中堅教師は児童の取り組みタイプに関わらず,特定の形成的FBを繰り返し選んで用いることが明らかになった https://t.co/ltPDS6kajd

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