著者
寺尾 香那子 中谷 素之
出版者
一般社団法人 日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.43, no.2, pp.117-125, 2019-09-30 (Released:2019-09-30)
参考文献数
22

本研究は,学習者が教師の教育活動に対する内発的動機づけを認知することで,学習活動に対する期待を形成し,その期待が学習者自身の内発的動機づけに影響するプロセスを検討した.研究1(実験室実験)では,大学生53名を対象に,教師が知識や概念を教える学習活動を実施した.t 検定と分散分析の結果,教師が高い内発的動機づけをもつと認知した参加者は学習に対する期待を高くもち,期待を高くもつ参加者は学習内容に対する内発的動機づけが高いことが示された.研究2(短期縦断調査)では,大学生158名を対象に質問紙調査を実施した.パス解析の結果,教師の教育活動に対する内発的動機づけの認知が,学習活動に対する期待を高め,その後の学習内容に対する内発的動機づけに影響するプロセスを支持する知見が得られた.本研究から,教師の動機づけが学習者に伝達するプロセスが示唆された.

言及状況

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教師の動機付けが学習者へ伝達するプロセスを示した論文。 学習者が教師の教育活動に対する内発的動機づけを認知することによって、学習活動に対する期待を形成し、その期待が内発的動機づけへ影響するプロセスを説明。 期待価値理論をベースにしている。 https://t.co/yppXUbpjJt

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