著者
伊東 宏樹
出版者
日本森林学会
雑誌
日本森林学会誌 (ISSN:13498509)
巻号頁・発行日
vol.99, no.4, pp.172-175, 2017-08-01 (Released:2017-10-01)
参考文献数
15
被引用文献数
1

ナラ枯れ跡地の更新に対するニホンジカの影響を明らかにするため,京都市内のナラ枯れ跡ギャップ内に設置された防鹿柵と,その外のギャップ内とで更新状況を比較した。樹高1.3m 以上にまで成長していた更新木としては,防鹿柵内ではカラスザンショウ・アカメガシワ・アラカシ・ウワミズザクラなど14種が確認された。一方,柵外で1.3m 以上にまで成長していたのは,シカの不嗜好性樹種であるナンキンハゼおよびクロバイのみであった。また,樹高1.3m 未満の下層木については,防鹿柵内では,ニガイチゴ・イヌシデなど34種が更新していた。柵外では7種が確認されたが,樹高10cm を超えるものはなかった。ただし,柵外でもヒサカキなどの新規の実生は認められた。これらの結果から,シカの採食圧下にあるナラ枯れ跡では,特定の少数の樹種のみが更新する場合があることが示唆された。

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ナラ枯れ跡ギャップに設置された防鹿柵内外での更新状況の比較。https://t.co/DacTIarHqj … シカの採食圧下にあるナラ枯れ跡地で更新できるのは、少数の不嗜好性樹種のみであることが示唆されています。
森林学会誌に発表した論文がJ-Stageで公開されていました。 > ナラ枯れ跡ギャップに設置された防鹿柵内外での更新状況の比較 https://t.co/nmZxeXRO4y

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