著者
佐藤 香寿実
出版者
一般社団法人 人文地理学会
雑誌
人文地理 (ISSN:00187216)
巻号頁・発行日
vol.71, no.4, pp.393-416, 2019 (Released:2020-02-15)
参考文献数
47
被引用文献数
5 1

本稿の目的は,フランス,ストラスブールの大モスクの建設過程およびその利用を通じて,言説実践としてのスケールがいかに実質的な効果を生み出したのかについて,「スケールのパフォーマティヴィティ」の観点から論じることである。同モスクは,ライシテ(非宗教性の原則)が重要視されるフランスにありながら,異なる制度を持つアルザス・モーゼル地方法を活用し,地方公共団体からの資金援助を受けて2012年に建てられた。本稿では,人文地理学で発展してきた社会構築主義的な「スケール」視角に依拠し,スケール言説がモスクの建設過程および物質性にいかに作用したか,またモスクの利用を通じて新たなスケール言説がいかに再構築されているか,インタビューで得た語りを引用しながら分析を試みた。分析において,アクターや状況に応じて登場する複数のスケールが,「ここ/よそ」の区別に結び付けられていること,さらにスケールの言説実践を通じて,「ここ/よそ」の境界は絶えず問い直されていることが示された。

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久し振りに人文地理学の新し目の論文を読んだ。 佐藤香寿実(2019):「スケールのパフォーマティヴィティ」とストラスブールの大モスク建設――アクターの言説実践に着目して.人文地理 71: 393-416. スケール論について整理したいと思っていたが,見事に整理されている。 https://t.co/AmoOsfI9bM
論文決定 佐藤香寿実 2019.「スケールのパフォーマティヴィティ」とストラスブールの大モスク建設―アクターの言説実践に着目して―. 人文地理71(4), 393-416. https://t.co/fpmpeI05yd

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