著者
倉重 恵子 曽我 俊博 横山 和仁
出版者
一般財団法人 日本健康開発財団
雑誌
日本健康開発雑誌 (ISSN:2432602X)
巻号頁・発行日
pp.202142G04, (Released:2020-11-24)
参考文献数
39

背景・目的 集中力は、知的労働生産性や運動パフォーマンスに深く関与すると言われている。“集中”とは「一つの事柄に“注意”を向けて物事に取り組むこと」である。近年、カシスポリフェノールによる脳血流改善効果が、ヒト大脳動脈血管を用いたex vivo試験で報告されている。本研究では、カシスポリフェノール摂取による認知機能(注意・集中力)への影響を検証することを目的とした。方法 健康成人女性7名を対象とし、カシスポリフェノール(アントシアニン50mg含有)の8日間連続摂取による認知機能(注意・集中力)への影響について、同一被験者内比較単群介入試験により検証した。聴覚オドボール課題中の脳波および心電図を客観的指標として測定した。対象の体調面を視覚的評価スケール(VAS)で、精神面を気分プロフィール検査(POMS)で主観的に評価した。得られた値の平均をpaired-t検定で比較した。結果 カシスポリフェノール摂取により、課題中のP300潜時が有意に短縮された一方、振幅に変化はなかった。Fzθ波の平均パワー積分比率は有意に増加し、心拍変動周波数成分のパワー比LF/HFは有意に減少した。VASの「頭の覚醒(集中度)」上昇、POMSの「緊張~不安」減少など自覚においても有意差が得られた。考察 カシスポリフェノールの連続摂取(8日間)により、認知機能(注意・集中力)が高まる可能性が示唆された。

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