著者
片山 正夫 多紀 保彦
出版者
The Ichthyological Society of Japan
雑誌
魚類学雑誌 (ISSN:00215090)
巻号頁・発行日
vol.30, no.4, pp.361-367, 1984-02-15 (Released:2010-06-28)
参考文献数
18

高知県と宮崎県の沿岸・河口周辺に出現するアカメ科魚類アカメには, 従来一般にLatesc alcarifer (Bloch) の学名が与えられてきたが, 種の査定には疑問がもたれていた (Katayama et al., 1977).そこで本研究では日本, フィリヒ。ン, タイ, オーストラリア産のLates属魚類を比較したところ, 日本以外の地域からの標本はすべて形態的に同一でL.calcariferと同定されるが, 日本産のアカメは, L.calcariferのtype localityが日本ということになっている (Bloch, 1790) にもかかわらず, 未記載の別種であることが判明し, これをL.japonicus sp.nov.として記載した.Bloch (1790) のtype localityの表示は, おそらくjavanaiseをJaponaiseと混同したことからきた誤りと思われる (Cuvier in Cuvier and Valenciennes, 1828) 。アカメLates/aponicusは, 体高体長比, 背鰭第3棘と轡鰭第2棘の相対長, 胸鰭条数, 鱗数, 鯉紀数の諸形質で, L.calcariferと区別される.本種はこれまで高知・宮崎両県下からのみ記録されている.

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