著者
中島 悦子 塩田 純一 河村 満
出版者
The Japan Society of Logopedics and Phoniatrics
雑誌
音声言語医学 (ISSN:00302813)
巻号頁・発行日
vol.40, no.3, pp.209-216, 1999-07-20 (Released:2010-06-22)
参考文献数
14

左被殻出血で失語と右片麻痺を呈した多言語併用例を報告した (55歳, 右利き, 男性) .本例は, 言語の習得時期, 習得環境, 言語体系が異なり, 琉球方言―日本語標準語スペイン語併用者と考えられた.血腫除去術後, 習得したすべての言語で重度の運動性失語が認められた.言語間の重症度は, 従来の言語の習得・使用状況説に加えて脳の損傷部位や失語の病型が関与すると考えられた.本例の発話の回復は, 言語治療に用いかつ学校で学んだ標準語で良好であり, 妻が使用した母国語の琉球方言や親しんだスペイン語は不良であった.本例は, 琉球方言とスペイン語を聴覚的に習得したのに対し, 標準語は聴覚とともに日本語の文字として視覚的にも習得している.すなわち本例の言語間の回復の相違は, 従来の言語の習得条件, 使用状況, 心理的要因説に加えて, 脳の損傷部位や失語の病型, 習得方法が影響を及ぼし, さらに言語治療の有無でも回復に差が生じたと考えられた.

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