- 著者
-
高野 佐代子
本多 清志
- 出版者
- The Japan Society of Logopedics and Phoniatrics
- 雑誌
- 音声言語医学 (ISSN:00302813)
- 巻号頁・発行日
- vol.46, no.3, pp.174-178, 2005-07-20 (Released:2010-06-22)
- 参考文献数
- 11
- 被引用文献数
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5
4
磁気共鳴画像法 (MRI) は体内の3次元可視化に優れており, 発話器官の機能解析の研究にも使用されている.しかし音源の生成にかかわる喉頭はサイズが小さいため, 十分な画像分解能やS/N比が得られない.また呼吸運動に伴い動きによるアーチファクトが生じやすいという問題がある.これらの問題を解決するために, 小型アンテナを用いた高感度喉頭用コイルを試作し, アーチファクトを防ぐために発声同期撮像法を考案した.以上の喉頭撮像法を用いて, 男性被験者1名が普通の声 (120Hz) と高い声 (180Hz) で母音/i/を繰り返し発声したときの喉頭画像を記録した.得られた画像精度は喉頭軟骨の計測に十分であり, この画像より輪状甲状関節の運動を計測した.本実験の被験者では, 両者の声の高さにおいて輪状甲状関節には約5度の回転と約1mmの滑走が認められた.