8 0 0 0 OA 家族の臨界

著者
上野 千鶴子
出版者
日本家族社会学会
雑誌
家族社会学研究 (ISSN:0916328X)
巻号頁・発行日
vol.20, no.1, pp.28-37, 2008-04-30 (Released:2009-08-07)
参考文献数
26
被引用文献数
3 2 13

「家族」の通文化的な定義がすべて解体したあとに,「家族とは何か?」という問いを問うことにどんな意味があるだろうか? 家族はどこまでいけば家族でなくなるのか,あるいは家族の個人化と言われる趨勢のもとで,家族は個人に還元されてしまうのだろうか? 近代家族は「依存の私事化」を必然的に伴った。「女性問題」と呼ばれるもののほとんどは,子どもや高齢者などの「一次的依存」から派生する「二次的依存」によって生じたものである。再生産の制度としての「家族」の意義は,今日に至るまで減じていない。「家族」を「個人」に還元することができないのは,この「依存的な他者」を家族が抱えこむからである。本稿は,「家族の臨界」をめぐる問いを,「依存的な他者との関係」,すなわちケアの分配問題として解くことで,「ケアの絆」としての「家族」を法的制度的に守ることは必要であると主張する。そしてその根拠としてケアの人権という概念を提示する。

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ネットでも読める上野千鶴子氏の論文だが、ここで批判される「平等家族主義」や提唱される「人権としてのケア」には、女性にとっては有効だが、悲しいくらい子どもが対象化(オブジェ化)している。女性の権利と子どもの主体性が両立しないフェミの限界が、今の日本を襲う。 https://t.co/M3uu02ss2m
メモ https://t.co/ePaQru3VYp

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