著者
シム チュン・キャット
出版者
日本家族社会学会
雑誌
家族社会学研究 (ISSN:0916328X)
巻号頁・発行日
vol.32, no.2, pp.187-199, 2020-10-31 (Released:2021-05-25)
参考文献数
18
被引用文献数
1

天然資源を持たない小国シンガポールにとって「人」の問題は国の死活問題である.そのために,複線型教育制度の導入などを通じて「人の質」を保証しつつ,結婚・出産・子育てへの手厚い支援や外国人労働者の受け入れなどの制度を中心に「人の量」も確保することは,国力を維持・発展させる礎となる.その一方で,人材の質量確保が競争を促し,学校教育段階を終えても「勝ち」にこだわるレースは続く.本稿では,シンガポールの公的統計および現地の若者を対象とした個別面接質問紙調査の結果をもとに,小学校から始まる学歴競争がいかに強固な「トーナメント競争マインドセット」を国民の間に浸透させ,そのことが晩婚化,未婚化,そして少子化といった社会問題につながる可能性があるのかを考察する.

言及状況

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少子化対策にはお金を配るなんてことじゃなく教育改革だってこと。「トーナメント競争マインドセット」からの脱却を! 「学校教育段階から始まるトーナメント競争を鈍化させ,競争の浸透がもたらす罠を緩和できれば,少子化改善への扉が開くに違いない」 https://t.co/cl3Bv1m2PY
茂木さんの投稿を読んで、ふと韓国の少子化は我が国よりも深刻だということを思い出した。日本も韓国も「学校」や「塾」が少子化の要因になっている。社会全体の「トーナメント競争マインドセット」が子どもたちを苦しめているのだなと思う。あり方を変えたい。(参考)https://t.co/cl3Bv1m2PY https://t.co/IkG7OUIvyS
茂木さんの投稿を読んで、ふと韓国の少子化は我が国よりも深刻だということを思い出した。日本も韓国も「学校」や「塾」が少子化の要因になっている。社会全体の「トーナメント競争マインドセット」が子どもたちを苦しめているのだなと思う。あり方を変えたい。(参考) https://t.co/cl3Bv1m2PY https://t.co/Vnuc8gwDwn
J-STAGE Articles - シンガポールにおける複線型教育がもたらす少子化への影響――「トーナメント競争マインドセット」とその罠―― https://t.co/cicA7Er97A

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