著者
小長谷 啓介 宮本 敏澄 玉井 裕 矢島 崇
出版者
日本菌学会
雑誌
日本菌学会会報 (ISSN:00290289)
巻号頁・発行日
vol.61, no.2, pp.81-90, 2020-11-01 (Released:2020-12-18)
参考文献数
61

2000年に噴火した有珠山の噴出物堆積地において,2004年に調査した既報告の大型菌類の発生調査を2006年まで継続して行い,噴火から間もない遷移初期の立地で繁殖する大型菌類相の経年変化を明らかにした.菌種数は,2004年の9種から緩やかに増加し,2006年には23種が確認された.外生菌根菌は2005年秋に初めて4種が確認された.2006年も新たに4種が発生し,計8種が確認された.その他の腐生菌は,2004年に確認されていたナヨタケ科,モエギタケ科,キシメジ科の菌類が継続して発生しており,種数は年経過とともに緩やかに増加した.次年度に消失した菌種は,2004-2005年では2種,2005-2006年では1種と少なかったのに対して,新たに確認された菌種は2004-2005年では9種,2005-2006年では8種と多かった.噴出物堆積地では,埋没した植物遺体や更新稚樹を資源として利用する菌類が繁殖しており,その菌類相は年経過とともに新たな種が加わる形で推移していた.

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