著者
紙谷 幸子 柿嶌 眞
出版者
日本菌学会
雑誌
日本菌学会会報 (ISSN:00290289)
巻号頁・発行日
vol.62, no.2, pp.93-100, 2021-11-01 (Released:2021-12-28)
参考文献数
17

Urocystis tranzschelianaはサクラソウに寄生し,花の葯の柄に分生子を,子房内にくろぼ胞子を形成する.本研究では,植物組織内における菌の存在部位の特定を目的として,U. tranzschelianaに特異的なPCRプライマーを開発した.この種特異的プライマーを用いて,くろぼ菌に感染したサクラソウの株(ジェネット)の個体(クローンラメット)のPCR法によるDNA検出を行った結果,菌体は花器だけでなく,地下茎や花茎にも存在していた.この結果から,サクラソウの感染株の地下茎には菌が存在しており,地下茎から無性芽に菌が直接侵入することにより,同じ株の次世代個体に感染することが示唆された.

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【日本菌学会会報論文賞】#msj67 紙谷 幸子 ・ 柿嶌 眞 (2021) サクラソウに感染するくろぼ菌 ,Urocystis tranzschelianaの宿主植物内での存在部位 https://t.co/wVe4wUXLoR

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