著者
中川 宏 熊本 水頼
出版者
一般社団法人 日本体育学会
雑誌
体育学研究 (ISSN:04846710)
巻号頁・発行日
vol.18, no.2, pp.83-89, 1973-10-25 (Released:2017-09-27)

ウェイトリフティングの選手について, ベンチプレスを行なわせたときの筋の作用機序について筋電図学的に検討した. 1) 手関節の姿勢制御を示すような筋の働きは認められなかった. 2) 肘関節はただ単純に伸展を行なっているだけで, 姿勢制御を示す筋の働きは殆んど認められなかった. 3) 筋力に余裕のあるとき, 肘関節伸展は上腕三頭筋外側頭のみで行なわれ, 筋力の劣るときは同筋長頭も参画した. 長頭の収縮がもたらす肩関節伸展の力は, 肩関節屈曲筋群の活動の増強で消却された. 4) 肩関節は水平位内転と屈曲の合成された動きを示す筋放電様相を呈した. 5) 挙上能力の劣るものには, 無駄な, かつまた抑制的と考えられる筋放電も認められた.

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