- 著者
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宮田 靖志
- 出版者
- 一般社団法人 日本薬学教育学会
- 雑誌
- 薬学教育 (ISSN:24324124)
- 巻号頁・発行日
- pp.2021-044, (Released:2022-04-12)
- 参考文献数
- 29
プロフェッショナリズム教育には,アンプロフェッショナルな行為をしないという最低限の目標と,常に高みを目指すという向上心的目標の2つの学修目標を見据える必要がある.向上心的目標のためには,規範に基づいた教育からナラティブに基づいた教育への視点の転換が重要であり,これにはロールモデル,自己の気づき(省察),ナラティブ能力,コミュニティ・サービスが挙げられる.学修者には,これらにより,実際の臨床経験を通じて患者・住民・社会の期待を実感することが求められ,このことがプロフェッショナルとしてのアイデンティティ形成につながる.また,社会のニーズに応えるという社会的説明責任を学んでいくことにもつながる.そして,個人・対人・社会レベルにおけるプロフェッショナリズムを考え,複雑で混沌とした医療状況の中で悪戦苦闘しながら課題解決に当たる省察的実践家である真のプロフェッショナルを養成することを,医療専門職教育者は考える必要がある.