著者
石澤 哲郎
出版者
一般社団法人 日本心身医学会
雑誌
心身医学 (ISSN:03850307)
巻号頁・発行日
vol.55, no.8, pp.949-957, 2015-08-01 (Released:2017-08-01)

心身医学領域では自律神経失調症状をきたす患者を診察する機会が少なくない.近年,自律神経機能の正確かつ非侵襲的な測定手法として心拍変動(heart rate variability:HRV),血圧変動(blood pressure variability:BPV),圧受容体感受性(baroreflex sensitivity:BRS)が頻用されている.HRVとは心臓の拍動周期のゆらぎのうち自律神経入力のゆらぎをその主な起源とするものであり,BPVとは末梢の血管運動性交感神経活動や呼吸による機械的刺激などの影響による血圧のゆらぎのことである.そして迷走神経系を介した徐脈反応の大きさがBRSと定義される.周波数解析を用いてこれらを分析することで,心血管系自律神経機能を交感神経系と副交感神経系に区別して定量的に評価することが可能となる.また,非線形解析という手法を用いることで,自律神経機能の非線形的特性も評価することができる.本稿では神経性食欲不振症患者を対象とした研究結果を中心に,循環器系自律神経機能の定量的評価に関する最新の知見を紹介する.

言及状況

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神経性食欲不振症(拒食症?)では副交感神経が働きすぎる状態の時もあるらしい。 「ゼロ軸」で睡眠とったら胃の調子はいいのに別の理由で食欲がなくなったのだけど、副交感神経が過剰に優位になった為なのかもしれない。 https://t.co/O2L2ibZ8SA
@T5uku5hi 自律神経を定量的に評価する手法として使われていて、自分は最下位グループから平均くらいまで上がって少し落ち着いた気がします。一つの指標として参考に出来たら良いなって思ってました。 https://t.co/IUPavFP0tK

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