著者
河西 ひとみ 辻内 琢也 藤井 靖 野村 忍
出版者
一般社団法人 日本心身医学会
雑誌
心身医学 (ISSN:03850307)
巻号頁・発行日
vol.57, no.1, pp.59-68, 2017 (Released:2017-01-01)
参考文献数
14

本研究は, 過敏性腸症候群 (IBS) の軽快・治癒プロセスを明らかにすることを目的とし, 主観的に軽快・治癒に至った7名のIBS患者にインタビューを行った. 分析には質的研究法の複線径路等至性モデル (Trajectory Equifinality Model : TEM) を使用した. 結果, プロセスは3型に分けられ, すべての型が 「IBS症状の発現」 から 「とらわれ」, 次に 「対処行動」 と 「IBS症状の一部軽快」 に至るまでは同じ径路をたどったが, 以降の径路は 「環境調整」 と 「心理的葛藤に直面」 に分岐した. 分岐後は, いずれの径路を選択した型も, サポート資源を受け取ることによって, すべての型において 「受容的諦め」, 「人生観の変化」, 「IBS体験への肯定的意味づけ」 という認知的変容体験を経て, 主観的な軽快・治癒に至った. また, 7例中3例において, 他者からの受容・共感と, 変化への圧力の相補的な働きがプロセスを推し進めた可能性が示唆された.

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過敏性腸症候群患者の治癒プロセスに関する質的研究 本研究は, 過敏性腸症候群 (IBS) の軽快・治癒プロセスを明らかにすることを目的とし, 主観的に軽快・治癒に至った7名のIBS患者にインタビューを行った.  https://t.co/nhi0LbOl7V #過敏性腸症候群 #呑気症 #IBS
IBSは学業、仕事、移動など社会的参加が苦痛に(というか、できない)。論文の言うところの「症状のとらわれ」と「治癒のプロセス」の事例を当事者や見込者はもっと知ったほうが良さそう。 https://t.co/GzYmynmHBu
過敏性腸症候群の治癒の過程の研究論文。IBS患者の6人中5人が14歳か17歳で発症。https://t.co/GzYmynmHBu
「過敏性腸症候群患者の治癒プロセスに関する質的研究」 IBSが軽快・治癒した人を対象にIBS症状と精神状況の変化をインタビューから考察した質的研究。IBSが軽快・治癒した人は、「受容的諦め」→「人生観の変化」→「IBS体験への肯定的意味付け」という体験をたどっている。 https://t.co/M9OXFFHNhd

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