著者
竹内 武昭
出版者
一般社団法人 日本心身医学会
雑誌
心身医学 (ISSN:03850307)
巻号頁・発行日
vol.60, no.1, pp.44-49, 2020 (Released:2020-01-01)
参考文献数
39

うつ病は2030年に疾病負荷 (Global Burden of Diseases) 1位になると予想される疾患であり, 身体疾患との関連が注目されています. 鑑別疾患として甲状腺機能低下, 副腎機能低下, 認知症, パーキンソニズム, 睡眠時無呼吸症候群, 鉄欠乏, 亜鉛欠乏, 双極性障害, アルコール依存症などが重要です. うつ病は慢性疾患との併存が多くbio-psycho-socialな対応が必要です. 併存疾患として脳卒中, 糖尿病, 冠動脈疾患が多いと報告されています. 脳卒中との併存では希死念慮に特に注意が必要で, 三環系抗うつ薬やSSRI (selective serotonin reuptake inhibitors), SNRI (serotonin and norepinephrine reuptake inhibitors) に運動療法の追加が効果的とされています. 糖尿病との併存では薬物療法に認知行動療法を追加すると効果的とされています. 心不全とうつ病の併存ではSSRIの使用には明確な医学的根拠が不足しており, 認知行動療法の有用性が示唆されています.

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メンタル不調の既往がある方の症状再燃でもやっぱり内科的疾患の除外は大切で、甲状腺とかもみとこうという事案があった。。 うつ病の除外診断と併存疾患 https://t.co/Krh2hWoFWk

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