著者
中塚 幹也
出版者
一般社団法人 日本心身医学会
雑誌
心身医学 (ISSN:03850307)
巻号頁・発行日
vol.61, no.7, pp.608-615, 2021 (Released:2021-10-01)
参考文献数
30

ジェンダークリニックにおける性同一性障害/性別違和/性別不合のチーム医療の中で,産婦人科医は,精神科医,泌尿器科医,形成外科医などとともに診療を行っている.産婦人科医は,診察や検査により生物学的性(身体の性)を確定することで診断に関わるとともに,トランス女性(MTF当事者)への女性ホルモン治療やトランス男性(FTM当事者)への子宮・卵巣の切除術(性別適合手術)を行う.さらに,性別適合手術が終了すると,戸籍の性別変更を希望した当事者が家庭裁判所に提出するための診断書作成も行う.産婦人科医の中でも生殖医療を専門とする場合には,ホルモン療法や手術療法による妊孕性の低下への対応としての精子凍結や卵子凍結,また,第3者精子による人工授精などの生殖医療に関する説明を行うことも多い.さらには,学校の中で性教育をすることも多く,性の多様性についての講演や授業,家族形成も含めたライフプラン教育にも関与する.学校との連携に関しては,思春期の児童・生徒に対する二次性徴抑制療法の実施などの点でも産婦人科医の役割は重要である.

言及状況

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@pirokichi_1224 リファレンス貼っておきますね。 中塚 幹也, 2021, トランスジェンダー(性同一性障害/性別違和/性別不合)と産婦人科医としての対応, J-stage https://t.co/hNPa7MYhon
https://t.co/ApW81ZQgA1 医学研究科でこう楽観的な展望を示しているのは結構面白いですね https://t.co/iGODfcgFzK
こちらの抄録のような考えが全般に浸透するといいと思うし、どの患者さんにも配慮がある病院の仕組みがあるといいのだろうな…と感じる 「女しか来ない」ってことで無配慮の婦人科もけっこうあるからね…たとえ女性ばかりでも病名や診察室の会話が筒抜けだと嫌なので… https://t.co/BkfsvBfw5X

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