著者
藤井 修平
出版者
『宗教/スピリチュアリティ心理学研究』編集委員会
雑誌
宗教/スピリチュアリティ心理学研究 (ISSN:27581004)
巻号頁・発行日
vol.1, no.1, pp.18-32, 2023 (Released:2023-08-30)

宗教心理学の分野は,宗教およびスピリチュアリティに対する関心の高まりを反映し て,近年欧米で発展している。他方で日本においては,宗教という主題を心理学的に扱 った研究はほとんど存在しなかった。本研究では,宗教心理学の文献をレビューし,そ の研究領域,研究テーマおよび課題を明らかにすることを目的にする。宗教心理学は米 国心理学会第 36 部門における研究を中心とするが,それ以外に非実証的な宗教心理学, 禅心理学,宗教認知科学も宗教の心理学的研究とみなせる。宗教心理学の研究テーマに 関しては,社会心理学的研究においては宗教とパーソナリティや向社会性,暴力と偏見 などの他の変数の相関が扱われており,それに加え宗教と健康,宗教と死,宗教と道徳 の関係も探究されている。宗教認知科学は,心の理論,擬人観,素朴二元論といった人 の日常的な認知メカニズムが宗教現象を生み出すとみなしている。宗教心理学の課題 としては,宗教とスピリチュアリティの概念をいかに定義するか,研究者と宗教との関 係性をどのように評価するか,これまで研究対象に含まれていなかった無宗教者をど のように扱うかという 3 つが挙げられる。これらを考慮することで,日本における宗教 心理学の意義もまた大きくなるものと思われる。

言及状況

外部データベース (DOI)

Twitter (2 users, 2 posts, 1 favorites)

J-STAGE Articles - 宗教心理学の展望 https://t.co/fGh3AwjzMo

収集済み URL リスト