著者
土肥 修司
出版者
日本臨床麻酔学会
雑誌
日本臨床麻酔学会誌 (ISSN:02854945)
巻号頁・発行日
vol.35, no.1, pp.001-014, 2015 (Released:2015-02-17)
参考文献数
40

エーテル麻酔の成功から約170年,著者の経験は後半の一時にすぎないが,この40年間に,麻酔の理解も安全性も飛躍的に向上した.麻酔薬による意識,記憶,疼痛,運動機能への抑制効果は一様ではなく,おのおの薬の薬理特性によって異なる.麻酔の主要な構成要素である「無意識と無記憶」状態は,麻酔薬が視床を中心とした脳神経系ネットワークの統合を抑制して,環境との連絡が断たれたときに生じると理解されている.麻酔状態では自然睡眠中と異なり,記憶形成過程の増強はないが,「無意識なのか」「記憶の形成中なのか」を確実に検出できるモニターはない.本論文では,研究の歴史的流れを通して麻酔中の意識と記憶に関しての簡潔な総説を試みた.

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麻酔中の意識についてたまに資料を漁るのだが、1970-80年代の「揮発性麻酔薬、麻酔=蘇生の時代」を読むと > 時に患者は意識があったにしても、筋弛緩薬の作用によって"痛くても動けない"ので見かけ上は安定して見えたのである とか書いてあって怖いねん 麻酔中の意識と記憶 https://t.co/GwCNnm2NIL https://t.co/QxVJnGxksm
麻酔って、本来意識も痛覚もあるけど肉体は鎮静してる上に逆行性健忘で麻酔中の記憶を失うから何事もなかったように見えるだけっていう説もあるので こわいね (麻酔薬によっては『患者の記憶はないが外部刺激に応答している』例もある) https://t.co/d0H5EN6kge
connected consciousness についてよく分からないと思ってたら土肥先生の総説が出てきた。 読ませる文章で面白い!! そして麻酔中の意識、反応、記憶形成についてはやっぱりよく分からない。 https://t.co/eYGLPKA905
@tanke_94pt おはようございます
https://t.co/MJlMaoakuM これが、オジギソウに対する麻酔の論文。
https://t.co/MJlMaoakuM 麻酔の歴史はとても浅い… 70年代とかよくオペできたな、と

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