著者
谷口 英喜
出版者
日本臨床麻酔学会
雑誌
日本臨床麻酔学会誌 (ISSN:02854945)
巻号頁・発行日
vol.42, no.3, pp.245-253, 2022-05-15 (Released:2022-07-13)
参考文献数
18

超高齢化社会に突入したわが国では,治療技術の向上により,高齢患者への手術適応が以前にも増して拡大した.高齢患者では,呼吸循環器系の合併症に加え,認知機能の低下やサルコペニアおよびフレイルなどが,周術期に問題視される.ERAS protocolでは,高齢者に対する術前環境適正化策の一つとして,プレハビリテーションが推奨されるようになった.プレハビリテーションでは,運動療法,心理的サポートおよび栄養サポートの3つの介入をする.標準的なケアと比較してプレハビリテーションにより術後疼痛,在院日数および身体機能が改善することが示されている.一方,わが国では,術前準備期間の不足や保険制度上の支援がないことから普及がいまだ進んでいない.

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術前におけるプレハビリテーション介入 この中で引用されている図が非常に分かりやすい。 運動耐容能いわゆる予備能を少しでも高めることが重要。 手術という大きなイベントの前に上げるのに越したことはない。 ただ制度的に(術前の準備不足・保険制度上)厳しいのが現実

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