著者
友田 明美
出版者
日本犯罪社会学会
雑誌
犯罪社会学研究 (ISSN:0386460X)
巻号頁・発行日
vol.42, pp.11-18, 2017 (Released:2018-10-31)

近年の脳科学研究の進展により,ヒトの脳の成熟のプロセスが緩徐に進行することがわかってきた. 例えば,前頭前皮質の成熟は20代後半まで進行する.一方で,感情と報酬感を制御している大脳辺縁 系の発達は,まだ前頭前皮質が未熟な10歳頃に始まる思春期にホルモン量が増えて成熟が促される. ヒトの脳は胎児期,乳幼児期,思春期に爆発的に成長するが,その時期は脆弱な時期でもある.とく に10代の若者では感情を司る大脳辺縁系と衝動的行動を抑制する前頭前皮質の成熟がミスマッチして いるからだ.すなわち,この不均衡のために前頭前皮質が未熟な10代の少年たちは危険な行動に走り がちだが,一方で環境が適切に整えられれば,それに素早く適応することも十分に可能な「脳の可塑 性(脳領域間のネットワークを変更することによって環境に応じて変化できる)」も考慮できる.現代 では,思春期の開始年齢は世界的に早まる傾向にあることが知られており,世界的に長くなってきて いる不均衡期間にある少年の脳を理解することは脳の可塑性の視点からも重要で,今後の脳科学研究 の大きな課題でもある.

言及状況

外部データベース (DOI)

Twitter (9 users, 9 posts, 3 favorites)

脳科学と非行少年 あとでしっかり読みたい。 https://t.co/f7VAdD2paT 発達しすぎた大脳辺縁系と未熟な前頭野のアンバランス、そして暴力や性犯罪の関係、もっとわかりやすく10代向けに説明して、教育カリキュラムの中に組み込めばよいのに、と思う。 己を知り、犯罪の抑止になるのでは。
下リンクの文献を見ると、灰白質の容積は年齢に伴って単純に増加するわけではないようですが、灰白質の容積が変化しなかっただけで脳の発達が遅れるといえるのかな~
» _pdf https://t.co/0hBPJOocad
@petit_column 思春期の脳の成長について恥ずかしながら初めて聞きました。 下のような論文も見つけられたので、読んでいます。 いろんな発達を経てきた子が、ここで切り替えて再スタートできるチャンスでもあると、理論的に後押ししてもらえた気がしています。ありがとうございました! https://t.co/lYeNxxe0p8
メモ:脳科学・神経科学と少年非行 犯罪社会学研究 第 42 号 2017 年 友田明美 福井大学 https://t.co/mddXldf0dg
よっしゃー!やっと探し出したぞ!!もう二度とお前を見失ったりしないようにここに貼り付けておく!!! https://t.co/FxeE6wBRV2

収集済み URL リスト