著者
國方 弘子 本田 圭子
出版者
一般社団法人 日本看護研究学会
雑誌
日本看護研究学会雑誌 (ISSN:21883599)
巻号頁・発行日
vol.32, no.2, pp.2_45-2_53, 2009-06-01 (Released:2016-03-05)
参考文献数
23

地域で住みながら病の体験を語っている精神障害者当事者グループの自己概念を構成する要素を明らかにし,看護援助を考察することを目的として,修正版Grounded theory approachを用いた質的帰納的研究を行った。結果,精神の病を体験しながら,精神保健について正しい認識を広める活動をしているメンバーの自己概念は,欲求を通して意識された自己であり,『階層からなる欲求をもつ自分』を獲得した《獲得したものをもつ自分》と,『階層からなる欲求をもつ自分』を獲得できない《環境の影響を非常に大きく受ける自分》により構成された。ケア提供者は,メンバーを歴史・時代から大きな影響を受ける社会的存在として捉え,苦しい叫びをそのまま受け止め,体験の中に意味を紡ぎ出すプロセスを支援し,地域とメンバーの橋渡しの役割を強化し,無条件に受け入れる対人関係を構築し,活動の場作りの支援を行う必要性が示唆された。

言及状況

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https://t.co/HFaV3mC2Ar 病気体験を社会に語る精神障害者当事者グループの自己概念

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