著者
平手 博之 笹野 寛 藤田 義人 伊藤 彰師 薊 隆文 杉浦 健之 祖父江 和哉
出版者
日本静脈経腸栄養学会
雑誌
静脈経腸栄養 (ISSN:13444980)
巻号頁・発行日
vol.24, no.3, pp.769-774, 2009 (Released:2009-06-11)
参考文献数
11

血清ナトリウム異常は単にナトリウムの過不足をあらわしているのではなく、水に対する相対的な変化をあらわしている。ナトリウムの動態は水の移動に連動している。ナトリウム濃度異常を管理するに際しては体内水分量過不足の評価、体内総ナトリウム量の評価、血漿浸透圧、尿中ナトリウム濃度などを手がかりにして動態を理解する必要がある。中枢神経症状がみられるような重篤な濃度異常は補正を必要とするが、原疾患に対する治療に加え、ナトリウムの絶対量の増減、水分増減の関係をもとに、高張塩化ナトリウム液、生理食塩水、0.45%塩化ナトリウム液、5%糖液、水制限、利尿剤などを組み合わせ、急激な補正自体も重篤な神経系合併症を発症するリスクを伴う事を念頭に置き、適度な速度と十分なモニタリング下に適切な補正管理をおこなうことが重要である。

言及状況

外部データベース (DOI)

はてなブックマーク (1 users, 1 posts)

Twitter (2 users, 2 posts, 1 favorites)

A899 plasma osmolality(血漿浸透圧): 測定単位は(正確には)mOsm/kgH2Oという(https://t.co/ojf9Z5UPQ4)。 ギリシャ語のosmos(押すこと)由来。 https://t.co/90PQNaO3GP
新型コロナウイルス感染症COVID-19:最新エビデンスの紹介(4月3日) - Neurology 興味を持った「脳神経内科」論文 https://t.co/IeqBWV8hmN 「RAAS活性化による血液容量の増大は心内圧を上昇させ肺うっ血を発症しうる」 特集:ナトリウム管理におけるピットフォール https://t.co/CvJ9nLHKTs https://t.co/1cqhweJ0tW

収集済み URL リスト