著者
中島 敦司
出版者
日本緑化工学会
雑誌
日本緑化工学会誌 (ISSN:09167439)
巻号頁・発行日
vol.44, no.3, pp.482-486, 2019-02-28 (Released:2019-07-27)
参考文献数
34

ニホンジカ(Cervus nippon)による自然植生への食害が全国的な問題となっている。そこで,既往文献にみられるシカ害やシカを取り巻く社会情勢,歴史についての情報を再整理した結果,シカが増加した理由に対する社会理解の中に,研究者も含め非科学的な思い込みが多く含まれることが明らかとなった。また,外来牧草による草地造成はシカの餌場となり得るもので,これに対抗するシカ害を引き起こしにくい緑化工法として,ススキ(Miscanthus sinensis)やチカラシバ(Pennisetum alopecuroides)などシカ不嗜好性の性質を持つタイプの地域性種苗の活用が有効であると考えられた。

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@YP3xqnYKspOSM59 念のため遊泳の根拠を 「タイワンジカ(C.n.taiouanus)も,例えば和歌山県の友ヶ島などでは野生化し,島内の植生に深刻な影響を及ぼしている。タイワンジカもニホンジカの地域亜種であるが,友が島から本土に遊泳して渡り,在来亜種と交雑する事 例が報告されている」 https://t.co/bYMCC8VnQD
https://t.co/ssfA0iR8lR
生態系保全とニホンジカによる食害への対応からみた地域性種苗緑化の優位性(日本語論文、オープンアクセス) https://t.co/1ysYWliciO シカの多い地域では、シカがあまり好まない在来種ススキやチカラシバの地域性種苗による緑化が有効であるとしています。

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