- 著者
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宮入 暢子
- 出版者
- 一般社団法人 情報科学技術協会
- 雑誌
- 情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
- 巻号頁・発行日
- vol.69, no.11, pp.529-534, 2019-11-01 (Released:2019-11-01)
学術情報の電子化と標準化が進む一方,その流通量の増加とコンテンツの多様化は,データの構造化と横断的な分析をますます困難なものにしている。近年,自然言語処理や機械学習アルゴリズムの実装や,メタデータ取得の自動化によってこれらの課題を克服しようとする学術データベースが相次いでリリースされている。本稿ではそうした新世代のデータベースのいくつかを概観し,それらが成立した背景要因として,機械可読識別子の普及やオープンなコンテンツの拡大,人工知能の学術情報サービスへの応用などについて検討するとともに,それらが今後の学術情報流通に与える影響について展望する。