著者
田中 実
出版者
人体科学会
雑誌
人体科学 (ISSN:09182489)
巻号頁・発行日
vol.28, no.1, pp.31-40, 2019-07-15 (Released:2019-12-25)
参考文献数
25

発生学的に、細胞では細胞膜が内部陥入して核膜や細胞小器官の膜を形成すると共に、原始本能的脳として機能する。相似的に、人体では表層細胞層(広義の皮膚)が内部陥入して腸(原腸)さらに諸内臓を形成し、原始本能的・情動的・直感的脳として機能する。このような脳として振る舞う細胞膜や皮膚・腸・内臓が、「心しんぽう包・三さんしょう焦は共に名ありて形なし」、「三焦は孤腑、全身をつなぐ油膜」等とされてきた心包(六番目の臓)や三焦(六番目の腑)の実体と考えられることは既に報告した。本報告では、両手両上肢から前胸部の膻だんちゅう中穴へとつながる心包・三焦両経のルートに関する考察を通じて、両臓腑が前傾合掌に象徴される祈りや祭祀そして天人合一(東洋毉 (註1) 学の理想)への道を開くうえで重要な役割を果たす可能性を述べる。

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パラレルワールドの文章みたいなやつあった J-STAGE Articles - 心包・三焦の謎解きと祈り・祭祀に果たす役割 https://t.co/6c3u9Ev0Jz
@kodo_hari 新しく生まれた心包経。 この心包経は、人が“祈る”という行為の役割がある言う説もありますが、宗教が生まれたのが、経絡が増えた2000年前の紀元前後だとすると、医学だけで考えていては、人の進化は語りえなさそうですね

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