著者
柳原 良江
出版者
科学技術社会論学会
雑誌
科学技術社会論研究 (ISSN:13475843)
巻号頁・発行日
vol.17, pp.79-92, 2019-04-20 (Released:2020-04-20)
参考文献数
21

代理出産は1976 年に米国で発明された商業的な契約である.当時の批判的な世論に影響された結果,商業的要素の低い人助けとしての位置づけがなされた.その後ベビーM事件により下火となるも,1990 年代に体外受精を用いる形で普及し,2000 年代からは生殖アウトソーシングと呼ばれる越境代理出産が流行し,世界的な一大市場を形成してきた. このような代理出産には,乳児売買,かつ女性の赤ちゃん工場化であるとの批判がなされてきたが,後者は女性の〈妊娠・出産というサービス〉と解釈されることで,身体の商品化を免れるレトリックが構築されてきた.しかし代理出産の現状は,それが女性の生命機能全体の商品化であることを示している. これら代理出産を支える論理は,生命科学知により分節化されつつ発展する「生-資本」が機能する社会の中で構築されている.そして代理出産市場は,このような社会で人の潜在的な〈生殖可能性〉を喚起しながら拡大を続けている.

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"代理出産というビジネス"

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「代理出産では,そこに存在する人の身体機能すべてが取引の対象となり,さらにその人の身体部品には,生きたまま値段がつけられる. このような発想が生じ,現実に機能する背景には,他者による〈女性の生殖機能〉の取引が,自明のものとして配置されている私たちの文化構造 https://t.co/7VJ4VhhFWI
生殖アウトソーシングというパワーワード まあとっくにビジネスになってるだろうし今更という気もする https://t.co/dUtusyGLSc
柳原良江さんの「代理出産というビジネス」によると、アメリカにはこういう考え方が既にあるらしいので、フェミニストである彼女が代理母の利用を手放しで称賛するのは、「弱者女性からの搾取」ではなく「自立した女性への支援」と思っているからなのかもしれない。 https://t.co/Q1OXae86bA https://t.co/4fHekanyj1
こちらから:代理出産というビジネス 経緯・現状とそれを支える文化構造https://t.co/vSv11buEPe
代理出産と資本主義社会の問題で盛り上がってるようなのでこれ置いておきます https://t.co/pquaFSfmh3 https://t.co/veXSzVnB3h
柳原 良江 (2019) _科学技術社会論研究_ 17:79-92 / “代理出産というビジネス” https://t.co/alYkoQMZns #fukukyozai

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