著者
井上 敦 一方井 祐子 南崎 梓 加納 圭 マッカイ ユアン 横山 広美
出版者
科学技術社会論学会
雑誌
科学技術社会論研究 (ISSN:13475843)
巻号頁・発行日
vol.19, pp.64-78, 2021-05-20 (Released:2022-05-21)
参考文献数
71
被引用文献数
1

本稿では,ジェンダーステレオタイプと理系への進路希望との関係を調べ,ジェンダーステレオタイプが理系選択の障壁になっているのかを考察した.2012 年に実施された「高校生と母親調査」のデータを用いて分析したところ,「男は外で働き,女は家庭を守るべきである」という性別役割分業に関するジェンダーステレオタイプを肯定した女子生徒に比べて,肯定も否定もしなかった女子生徒および否定した女子生徒は,理系を希望する確率が高く,統計的に意味のある差が確認された.一方で,「男性の方が数学や専門的な技術を使う能力が高い」という能力に関するジェンダーステレオタイプは,男女ともに,理系への進路希望とは統計的に意味のある関係は確認されなかった.また,理系科目の成績,親の学歴や世帯年収といった家庭環境も,理系への進路希望と統計的に意味のある関係を持っていることが確認された.性別役割分業をはじめとする社会全体に未だ根強い男女不平等観を解消することは,女子生徒の理系分野への進路選択の障壁を取り除くことにも大きく貢献するものと考えられる.

言及状況

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高校あたりの成績の男女差を知りたくて、こちらの論文をチェック。 https://t.co/oJbzhmUXMi 先行研究の一部をまとめると「算数・数学の平均は結果が一貫しない(男子が高いもの、差はないものなどが引用されている)が、上位は男子の割合が高い」そうだ。
「高校生のジェンダーステレオタイプと理系への進路希望」 https://t.co/pVcFvQX4X4 数学を多用する分野を専攻する女性は男性よりも圧倒的に少ない そしてこの傾向は学力の男女差だけでは説明できない そこで要因の一つとされるジェンダーステレオタイプに注目し、進路希望との関係を分析している
こういうのあるのか 後で読もう J-STAGE Articles - 高校生のジェンダーステレオタイプと理系への進路希望 https://t.co/1xZELkFkgS
@tomatoha831 私の経験も含めですが、下記の研究報告は主要な要因のひとつを押さえていると思います。 井上敦, 一方井祐子, 南崎梓, 加納圭, & 横山広美. (2021). 高校生のジェンダーステレオタイプと理系への進路希望. 科学技術社会論研究, 19, 64-78. https://t.co/buP0Q6Fvv5
@SholdersOfGiant @YS_GPCR 女子生徒の進路選択には能力だけでなくジェンダーステレオタイプが影響しているという研究結果が出ています。https://t.co/Wqqaxjk5po こうしたステレオタイプ解消に向けては仰る通り何らかのインセンティブを設けるのは有効かと思います。
J-STAGE Articles - 高校生のジェンダーステレオタイプと理系への進路希望 https://t.co/2GUlpaKrdU
#研鑽ジャーナル #読了 「高校生のジェンダーステレオタイプと理系への進路希望」 https://t.co/YU2zmJbcv9 ステレオタイプ理系への進路希望とは統計的に意味のある関係は確認されなかった。理系科目の成績、親の学歴や世帯年収といった家庭環境も、理系への進路希望と統計的に意味のある関係を持つ

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