著者
藤広 満智子
出版者
日本臨床皮膚科医会
雑誌
日本臨床皮膚科医会雑誌 (ISSN:13497758)
巻号頁・発行日
vol.24, no.4, pp.298-302, 2007-07-15 (Released:2009-03-13)
参考文献数
2

主として仙骨部褥瘡に対し、台所用穴あきポリ袋を用いたOpen Wet-dressing Therapy (OWT) を行ったところ、褥瘡の急速な改善を認めた。方法は、褥瘡を微温湯で洗浄し、適当な大きさに切った穴あきポリ袋を貼った紙オムツをするという簡単なものである。状態に応じて、デブリートメント、抗生剤軟膏ガーゼ処置の後に行った。その特長は1) 傷が治るのに不可欠な湿潤環境を保つ、2) 穴があるので適度にドレイナージができる、3) ずれによる皮膚障害を防ぐ、4) 皮膚にテープを貼らないためテープかぶれを起こさない、5) ガーゼのような厚みがないので圧迫がない、6) 短時間に実施できる、7) 痛みが少ない、8) 感染をおこさない、9) 安価で入手が容易、ということである。すでに200例以上をこの方法で処置し、その手軽さと治癒の早さから患者、看護師の評価は高く、現在は褥瘡患者の9割をこのOWTで治療している。褥瘡報告書の転帰を集計した結果、OWT導入前78例と導入後の118例の転帰は、治癒の割合が30.8%から51.7%と有意に上昇した。当科ではこの経験から下腿潰瘍などの褥瘡以外の難治性潰瘍にもOWTを用いているが、その有用性は医療用ドレッシング材に劣らないと評価している。(オンラインのみ掲載)

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穴あきポリエチレンを用いた褥瘡治療 (いび)揖斐厚生病院 皮膚科部長 藤広満智子Dr ラップ療法は膿と悪臭で中止 台所三角コーナーの穴あきポリエチレンと平おむつの Open Wet-dressing Therapy(OWT)開始 15cm四方褥瘡が、5ヵ月後1/4に縮小 アルブミン2.1g/dl→2.9gに改善 https://t.co/pukE8HlNpi https://t.co/Xnkq5PMyGO
穴あきポリエチレンを用いた褥瘡治療 https://t.co/pukE8HCQri ・以前施設入所の家族用に自作=>10日で完治した ・今回、市販品の10cm四方使用=>2ヶ月治らず ・そこで4.5cm四方に変更=>改善した https://t.co/rCUPjO0yr4 小さい方が尿漏れを防ぎ、傷口を護るのかも ヒントを頂いた介護士さんに感謝 https://t.co/CX8HNTjgGo
擦り傷、切り傷、褥瘡、火傷:創傷治療の要点 1.洗浄 水圧4~15PSI(家庭水道管圧)で毎日洗う AHRQ勧告 病原菌は自分の周囲にバイオフィルムを作り、人の免疫力を弱めるので、石鹸で洗い落とす 2.壊死組織の除去と、3.感染制御(医師) 4.湿潤環境 https://t.co/n7jaguc2vL https://t.co/ZQnDCtP7Lk
高齢者に多い褥瘡の治療 開放性ウェットドレッシング療法(動画100分) 相澤病院 褥瘡治療センター 鳥谷部俊一Dr. https://t.co/mH1mtqOel6 穴あきポリエチレンを用いた褥瘡治療(PDF) https://t.co/n7jaguc2vL 褥瘡治癒の決め手は「亜鉛」にあった(日経メディカル) https://t.co/S4S2gwePN1

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