著者
柳 与志夫
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.50, no.8, pp.492-500, 2007 (Released:2007-11-01)
参考文献数
6

公共図書館への否定的イメージ,全国一律モデルの弊害,国家政策の欠如,公務員制度における司書職の矛盾といった問題に直面し,日本の公共図書館は改革を迫られている。これらの問題に対し,新しい公共図書館経営のあり方を示すひとつの試みとして,新千代田図書館の構想から開館までの経緯,開館によって実現したサービスと運営体制の特徴について紹介する。新千代田図書館は,区内に集中する豊富な文化資源への入り口としての役割を目指し,地域特性を活かした知識経営的サービスを提供する都心型公共図書館モデルを構想している。運営に際しては,指定管理者制度の導入により専門的人材を確保しつつ,運営連絡会の開催や運営実績評価の仕組みを策定することにより,官民協働によるサービスの向上を図っている。この実践は,従来の行政サービス制度における官民の枠を超えた,新しい公共図書館サービスのあり方を提案するものである。

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