著者
金野 秀敏
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.56, no.8, pp.498-505, 2013-11-01 (Released:2013-11-01)
参考文献数
31

複雑系のモデル化や数理解析の進展と応用への期待がもたれて久しい。しかし,複雑系研究の現状や今後の可能性は適切に語られていない。本報では,複雑系数理モデルが「現実の問題を解くことがどの程度可能であると考えられるのか」を現実のシステムの実測と数理モデルとの対比を通して論ずる。まず,「複雑系の数理モデル」とは,現実のシステムをありのまま詳細を再現するものではないことを述べる。次に,複雑系数理モデルのベイズの定理に根ざしたいくつかの成功実例や,巷(ちまた)で話題になっているビッグデータ解析の諸問題との関連性にも言及する。さらに,今後の複雑系の数理モデルの可能性に言及する。

言及状況

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@Alexander_PBW ビッグデータ先輩も好きだけれど儂はもっと複雑に生きたいで候 https://t.co/Snmm1FEs7B
@ikedanob 非専門家の読者の中には,上記(1)〜(6)に示した簡単なモデルは現実の複雑系とは無縁の「おもちゃ」のようなもので,「現実の問題を議論するのは誇大妄想ではないか?」と考えている方もおられるだろう 見事にこのことですね。 https://t.co/VYHGrSmS7h
“統計的モデルは実体の真の構造の忠実な再現を目指すものでなく,推論の根拠を示すものであるという信念で能動的なモデリングを実現してきた赤池弘次氏” 複雑系数理モデルの可能性 https://t.co/sGgCzPNjoB
@skr1984short https://t.co/puhKeGTH56 実験系ではないんですが、この文献に出てくるような、非平衡系の数理モデルのシミュレーションとかですね ベイズの話が出てくると、「うーん、この」って感じで、何から手をつければという感じでした
複雑系数理モデルの可能性 現実の諸問題を解く 金野 秀敏 複雑な系をそのままモデル化できるか?答えはもちろん「否」である。 https://t.co/uSX0sTdkca
べき乗分布の出現根拠をシステムの(時間・空間)不均一性から導くのか。大学でやってたAnderson局在による電気伝導度のべき乗的振る舞いと同じ機構だ。 https://t.co/vtlCLXq6GC
数理的な観点からみると,このモデル化も数理的には上記のベイズの定理に根ざしている。 https://t.co/pKydXZmWNZ
ベックとコーヘンは非平衡系に普遍的に現れる「べき乗分布」(指数関数で表せない分布)の出現根拠がシステムの(時間・空間)不均一性に由来することを見抜き,ボルツマン・ギッブス統計を拡張した超統計の概念を提唱している https://t.co/pKydXZmWNZ
複雑系数理モデルの可能性 現実の諸問題を解く 金野 秀敏 http://t.co/5gspmG4F5q

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