著者
柴田 崇徳
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.60, no.4, pp.217-228, 2017-07-01 (Released:2017-07-01)
参考文献数
24
被引用文献数
2

アニマル・セラピーを参考に開発されたアザラシ型ロボット「パロ」は,米国では「神経学的セラピー用医療機器」の承認を得た初めての医療ロボットで,認知症,発達障害,精神障害,PTSD,脳機能障害,がん患者等を対象として,30か国・地域以上で約5,000体が利用されている。世界各地での治験等により,パロとの触れ合いが,人の気分を向上させ,不安,うつ,痛み,孤独感を改善することが示された。認知症者の場合には,徘徊,暴力・暴言等の問題行動を抑制・緩和する。また昼間に傾眠する人がパロと触れ合うと覚醒し,夜間によく眠れ,昼夜逆転を改善,夜間の起き出しを減らす。これらは介護者の負担を軽減し,転倒等のリスクを低減する。さらに副作用がない「非薬物療法」として,各種抗精神病薬の投薬を低減する,全く新しい医療福祉サービスである。

言及状況

外部データベース (DOI)

Twitter (10 users, 11 posts, 19 favorites)

あとでゆっくり読む https://t.co/ee4eWU6oCL
@khsjx これの真ん中くらいにある米国退役軍人省病院の写真がおすすめなので見てください https://t.co/eQ5r54CVHX
パロ https://t.co/o9SEN8puTY
「情報管理」2017年7月号 メンタルコミットロボット「パロ」の開発と普及:認知症等の非薬物療法のイノベーション 2009年FDAが医療機器認定、アザラシ型の「世界一の癒しロボット」の機能やセラピー効果を、産総研柴田崇徳氏が解説 https://t.co/9GdTMmhzTi

収集済み URL リスト