著者
武田 裕子
出版者
一般社団法人 日本作業療法士協会
雑誌
作業療法 (ISSN:02894920)
巻号頁・発行日
vol.42, no.2, pp.129-134, 2023-04-15 (Released:2023-04-15)
参考文献数
18

“人々が生まれ育ち,生活し,働き,そして歳をとるという営みが行われる社会の状況”が健康格差を生じるとき,WHOはそれを「健康の社会的決定要因(Social determinants of health;以下,SDH)」と定義した.舗装されていない道路や段差などの物理的環境にとどまらず,雇用や収入,社会保障制度,さらには自立を阻害する差別や偏見といった社会状況は,困難を抱える人たちにこそ大きく影響する.SDHは社会的公正(social justice)に基づく取り組みと位置付けられているが,この公正の考え方をいちはやく明示した医療職は作業療法士である.“作業を利用し,環境に働きかける”行いは,作業の権利を保障するものであり作業的公正の実現に他ならない.

言及状況

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今更読んでみた。本文中で引用されている論文も興味深かった。 "作業を困難にする「健康の社会的決定要因(SDH)」とは?-作業的公正の視点-" https://t.co/8UTCVlli1I
SDH (健康の社会的決定要因)という言葉を初めて聞いた。 医療機関の療法士が市役所や通いの場と上手く連携して対策できたらいいな。 https://t.co/q6rHvQmVUQ
SDHについては、リハビリテーションに関わる支援者はぜひ読んでほしい内容。 心身機能やリハ室だけでは生活を支援しきれないと思います。 https://t.co/sO499LqPrb

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