著者
上野 純平 岸本 達也
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.43.3, pp.49-54, 2008-10-25 (Released:2017-01-01)
参考文献数
6
被引用文献数
1

近年、都心部の鉄道周辺地域を中心に再開発事業がさかんである。再開発事業により駅周辺地域の建築物や駅施設が複合かつ多層になっていくことで、駅施設の魅力が上がり今度もその駅を利用する人が増加していく一方で、駅の利用者からすれば複雑な空間形態に加えて多くの歩行者が行き交い各々の目的地までに行くのに分かりづらい空間形態になっていくことが予想される。本研究では、このような空間形態を「複雑多層空間」と定義した。このような複雑多層空間内で、人々は何を基準に経路選択をしているのだろうか。それをスペース・シンタックス理論(以下、SS理論)を用いて定量的に分析することが本研究の目的である。本研究では東京都渋谷区にある渋谷駅を事例対象として分析を行った。歩行者流動を実測し、SS理論を用いて空間形態を分析し、それらの結果を用いて歩行者流動を表す重回帰モデル式を作成した。その結果、「視野範囲の広さ」と「ターン回数の少なさ」及び「最短距離で歩けること」が経路選択時において重要な影響を与えることが明らかになった。

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