著者
出村 嘉史 川崎 雅史 田中 尚人
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木計画学研究・論文集 (ISSN:09134034)
巻号頁・発行日
vol.18, pp.387-394, 2001-09-30 (Released:2010-06-04)
参考文献数
6
被引用文献数
1 1

本研究では、絵図や文献などの歴史的資料の分析やヒアリング調査、現地の観察をもとに、近世円山界隈に存在した時宗寺院の空間構成を明らかにした。急傾斜である長楽寺では幾つかの平場を立体的に組み合わせて構成され、平場間の起伏が豊かな場所に庭園を造った。次に傾斜の大きい安養寺では、敷地内に起伏を持つ塔頭が立体的に組み合わせられ、建築と庭の多様な位置関係が視線の多様性を産み出した。そして緩傾斜の双林寺では平面上に並んだ塔頭で構成され、立体的な空間構成を造る為に築山や借景が用いられた。このように豊かにつくられた空間では、後に席貸が行われ、飲食、宴席が積極的に行われ文化的交流の場として利用された。

言及状況

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@chinjuh @rino221b @KIWIinNZ @_AiskwA_ @petit_damon @musmmd 円山のお寺が一般的にそういう感覚だったのは「近世の京都円山時宗寺院における空間構成に関する研究」 https://t.co/GVEwGqxB2y とかがザッとつかみやすいですかね。

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