著者
津留 竜馬
出版者
日本科学哲学会
雑誌
科学哲学 (ISSN:02893428)
巻号頁・発行日
vol.32, no.1, pp.55-66, 1999-05-15 (Released:2009-05-29)

ここまで見てきたようなクリプキやグプタたちの理論をはじめとして,嘘つきパラドクスの解決を目指した真理の理論は多数提出されてきている.しかもそのうちのいくつかは,パラドクスの解決だけにとどまらない幅広い応用領域を持つなどして,非常に実り豊かな成果を挙げているように思われる.このような成果はもっと強調されてよい.しかし我々は,これらの高度にテクニカルな結果を眺めながらも,元々の素朴な非形式的レベルでのパラドクスのことを忘れてはならない.前節で見たように,これら真理の理論が我々が直観的に感じているような嘘つきパラドクスを解決しているとは,到底言えないからである.嘘つきパラドクスを真に解決してくれるような真理の理論は,いまだ現れていないのである.

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@ytb_at_twt 循環性への関心はあっただろう,と思ったのですが,一晩頭冷やして津留さんの昔の論文https://t.co/J8eo8ONB を眺めつつ思い出すに,彼の関心は嘘つきパラドクス→不動点意味論→領域理論へと移っていたので,B&Eは経由してないかも….

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