著者
功刀 浩 古賀 賀恵 小川 眞太郎
出版者
日本生物学的精神医学会
雑誌
日本生物学的精神医学会誌 (ISSN:21866619)
巻号頁・発行日
vol.26, no.1, pp.54-58, 2015 (Released:2017-02-16)
参考文献数
12

海外では,うつ病患者において肥満,脂質異常,n-3 系多価不飽和脂肪酸,ビタミン B12 や葉酸,鉄,亜鉛などにおける栄養学的異常が発症や再発のリスクと関連するという報告が増えている。しかし,わが国におけるエビデンスは今のところ乏しい。特に精神科受診患者を対象とした研究はほとんどない。そこでわれわれは,うつ病患者と健常者における栄養素・食生活について調査し,予備的結果を得た。末梢血を採取し,アミノ酸・脂肪酸・ビタミン濃度等について詳細に測定した。食生活調査は食事歴法質問紙を使用した。うつ病群は健常者群と比較して肥満,脂質異常が多かった。脂肪酸では,エイコサペンタエン酸やドコサヘキサエン酸濃度について両群間で有意差は見られなかった。ビタミンでは葉酸が低値を示す者がうつ病群に有意に多かった。アミノ酸では,うつ病群で血漿トリプトファン値が有意に低下していた。鉄や亜鉛などのミネラルの血清中濃度に関しては,欠乏を示す者は患者と健常者の両群に高頻度でみられたが,両群の間で有意差は見られなかった。嗜好品では,うつ病患者は緑茶を飲む頻度が低い傾向がみられた。以上から,海外での先行研究と必ずしも一致しないものの,日本のうつ病患者においても栄養学的問題が多数みられることが明らかになり,うつ病患者に対する栄養学的アプローチの重要性が明らかになった。

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ビタミンBなどの欠乏は鬱症状を引き起こすこともあるとされ、ビタミンBの摂取が鬱の改善・予防になりえるという調査結果もいくつかあるが、少なくとも日本国内において『エビデンス』と呼べるものは無いはず。その機能が複雑膨大で、まだ研究され… https://t.co/EZcGiqoXNw
オーソモレキュラー J-STAGE Articles - うつ病患者における栄養学的異常 https://t.co/MjJOXTf2Vx
増やすというか、そもそもセロトニンを作るのに肉や魚、豆類に含まれるトリプトファンが不可欠。菜食でタンパク質が不足するとセロトニン量も減るので、抑うつ感も出やすくなる。この論文とか参考になりそう。 https://t.co/WqWFvadzpX

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