著者
大隅 典子
出版者
日本生物学的精神医学会
雑誌
日本生物学的精神医学会誌 (ISSN:21866619)
巻号頁・発行日
vol.33, no.2, pp.44-47, 2022 (Released:2022-06-25)
参考文献数
17

本稿では,近年増加の一途をたどる自閉スペクトラム症などの神経発達障害の病因の理解のために,「精子の老化」に着目する。精子細胞は,生命の起源としてゲノムの半分を供給するだけでなく,DNAのメチル化,ヒストン修飾,マイクロRNAなどのエピジェネティックな変化(エピ変異)を持ち込むことによって付加的な情報を伝達しうる。実際,筆者らはマウスをモデルとして,父親の加齢に伴い生じる精子DNAの低メチル化が次世代の神経発生に影響する分子機構について明らかにした。精子に生じるエピジェネティックな変化(エピ変異)がどのように次世代の病気や障害を引き起こすのかについての理解は,神経発達障害の新たな治療法や予防法の開発に資するものである。

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父加齢による次世代発達障害リスク:精子エピ変異への着目 https://t.co/LSW98YAbA9
父加齢による次世代発達障害リスク:精子エピ変異への着目 https://t.co/Mm6w4n9lr5
@imcandycanes 見れました、ありがとうございます〜 ↓によると精子も老化するし、ASDのリスクは母親よりも父親の年齢に依るらしいですね https://t.co/ScpOQx5dcT

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