著者
岡田 元宏
出版者
日本生物学的精神医学会
雑誌
日本生物学的精神医学会誌 (ISSN:21866619)
巻号頁・発行日
vol.33, no.3, pp.106-111, 2022 (Released:2022-09-25)
参考文献数
37

注意欠陥多動性障害(ADHD)は,疾病概念と診断基準の変更も加わり,有病率の増加が報告されている。治療薬もメチルフェニデートとアンフェタミンなどの刺激性治療薬に加え,アトモキセチンとグアンファシンなどの非刺激性治療薬も加わり,治療者側の選択肢が広がってきている。グアンファシンは他のADHD治療薬とは異なり,カテコラミントランスポーターに対する親和性がなく,α2Aアドレナリンに対する選択的作動薬という点で,明らかに異なる薬力学的プロファイルを有する治療薬である。しかし,グアンファシンの病態生理は,グルタミン酸伝達系に偏りカテコラミン伝達に対する効果は解明されているとは言い難い。本稿では,グアンファシンの急性局所投与と亜急性全身投与を行い,眼窩前頭野・青斑核・視床のノルエピネフリン伝達とグルタミン酸伝達機構の変化を紹介し,ADHDの病態生理を概説する。

言及状況

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これ結構面白い。 https://t.co/LBNjTnFoVJ Guanfacine(インチュニブ)が青斑核においてtonicなアドレナリン抑制を起こすことで、視床内側核からのグルタミン酸分泌抑制が解除されてグルタミン酸分泌増加する結果、眼窩前頭野へのphasicなアドレナリン分泌が逆に増加する。

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