著者
臼谷 友秀 中津川 誠
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集B (ISSN:18806031)
巻号頁・発行日
vol.66, no.3, pp.268-279, 2010 (Released:2010-08-20)
参考文献数
16

気候変動に対する適応策の一環として多目的ダムの治水・利水機能が注目されている.その背景の一つに,積雪寒冷地の多目的ダムでは,利水容量の確保を優先した融雪期における大雨への対応が懸念されていることがある.そこで本論文では,ダムの洪水調節機能の向上を目指し,予測雨量を利用したダムの事前放流の可能性を検討した.最初に,積算予測雨量と時系列予測雨量の精度を比較し,積算予測雨量の優位性を明らかにした.次に,積算予測雨量に基づいた事前放流方法を提案し過去の大雨を伴う融雪洪水に適用した.以上の結果,積算予測雨量の利用は融雪期のダムの洪水調節機能の向上に有効であることがわかった.さらに,融雪期の多目的ダムの管理においては,事前放流によって治水機能の向上が可能であることを示唆することができた.

言及状況

外部データベース (DOI)

Twitter (1 users, 1 posts, 0 favorites)

後で読む。https://t.co/SpyF8ONj

収集済み URL リスト