著者
牛山 素行
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集B1(水工学) (ISSN:2185467X)
巻号頁・発行日
vol.73, no.4, pp.I_1369-I_1374, 2017 (Released:2018-02-28)
参考文献数
7
被引用文献数
5

一般的に公開されている消防庁などの統計を利用して,日本の自然災害による死者・行方不明者などの経年傾向を検討した.1949~2014年の自然災害全体の死者・行方不明者数,1968~2014年の風水害による死者・行方不明者数は,いずれも統計的に有意な減少傾向が見られる.1970年代以降は増減傾向が不明瞭だが,10年移動平均値は小さくなっている.全壊,半壊,床上浸水家屋数についても傾向は同様である.「近年災害(被害)が激増している」という認識は適切でない.同じ期間における「不慮の事故」(火災,交通事故,山岳遭難,水難)による死者数の変化傾向は一様でなかった.時代の進歩に伴うハード面,ソフト面の対策の充実とともに,死者等が単純に減少していくものではないことが示唆される.

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「風水害の規模は温暖化とともに激甚化している」というのは僕も個人的感覚として感じていたことなので、実際はどうなのか気になっていたら、こんな論文を見つけた。 https://t.co/vFDJlCMNNJ
日本の風水害人的被害の経年変化 に関する基礎的研究 「1968~2014年の風水害による死者・行方不明者数は・・・有意な減少傾向・・・1970年代後半以降は増減不明瞭だが・・・増加しているわけではない」 https://t.co/d7Cmc6nGya

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